昔ながらのしょうゆ味がたまらない。喜多方ラーメンと街並みの楽しみ方

日本三大ラーメンのひとつ。福島県喜多方市のご当地ラーメン

喜多方ラーメンは、その名の通り福島県喜多方市のご当地ラーメンです。札幌ラーメン、博多ラーメンと並ぶ日本三大ラーメンの一つといわれています。

喜多方ラーメンの始まりは、中国からやってきた一人の青年が昭和2年頃から「支那そば」を屋台で売ったことからだとされています。スープは基本的にしょうゆ味がベースですが、店ごとに塩味や味噌味など、お店それぞれの味を楽しめます。麺は「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれるもので、水分をたくさん含ませながら熟成させて作ります。コシのある幅3~4mmほどの太麺で、独特の縮れが特徴です。

ラーメンの美味しさを支えているのが、飯豊山からの伏流水や「平成の名水百選」にも選ばれている栂峰渓流水。この豊かで美味しい水で麺やスープが作られます。また喜多方では朝食にラーメンを食べる「朝ラー」といわれる文化も根付いています。

名店巡りで欠かせない「坂内食堂」「まこと食堂」「あべ食堂」の味をチェック!

人口に対してのラーメン店の割合が日本一というだけあって、喜多方には100軒を超えるラーメン店があります。これだけあると、どこに行ったらいいのか迷ってしまいますが、まずはこの3店を押さえておけば大丈夫!というお店を紹介します。いずれも喜多方老麺会に加盟している名店です。

坂内食堂 喜多方本店

店の看板メニューは「肉そば」で、下の麺が見えないほどぎっしりと載せられた自家製チャーシューはトロけるような柔らかさ。スープは豚骨の旨みをじっくり炊き出し、あっさりしているのにコクがあります。麺はもちもちでコシのある手揉み縮れ麺です。

坂内食堂 喜多方本店(食べログ)

URL https://tabelog.com/fukushima/A0706/A070601/7000007/

まこと食堂

ベーシックな「中華そば」と、チャーシューを10枚に増量した「チャーシュー麺」が人気メニューです。スープは豚骨と煮干しをベースにした醤油味で、麺はもちろん平打ち熟成多加水の縮れ麺。「朝ラー」が楽しめる店としても知られています。

まこと食堂(食べログ)

URL https://tabelog.com/fukushima/A0706/A070601/7000008/

あべ食堂

一押しメニューは、王道の「中華そば」。頑固に変わらぬ味を守り続けているスープは豚骨と煮干しの出汁に背脂を加えた醤油味のこってりした味わい。麺はスープの味にも負けないもっちりとした弾力の縮れ麺です。おみやげ用の中華そばも人気です。

あべ食堂(食べログ)

URL https://tabelog.com/fukushima/A0706/A070601/7000010/

蔵とともに歩んできた人々の暮らしから生まれる。「蔵の街・喜多方」の魅力

「蔵の街」と呼ばれる喜多方は、毎年多くの観光客が訪れる人気の街です。喜多方市には、表通りだけでなく裏路地や郊外の集落にまで蔵があり、その数は4,000棟を超えるといわれています。それらの蔵は決して観光のために作られたものではなく、そこに住む人々の暮らしの中でいろいろな用途に使われてきたものです。

山の伏流水や渓流水といった良質な水のおかげで、喜多方には昔から美味しい米や酒、味噌を作る人が多くいました。そこで酒蔵や味噌蔵が必要とされたことから、かつて自分の蔵を建てることは男たちの憧れでした。デザインも多彩で、白漆喰だけでなく、黒漆喰、土壁、レンガなどが使われている蔵もあります。

用途も幅広く、倉庫、店舗、住まいとしても使われていました。また1880年に起きた多くの住宅が焼けた大火でも焼け残ったことから、人々は蔵を誇りとして共に暮らし続け、現在でも多くが実際に使われています。

市内に点在する蔵を巡り、ラーメンでお腹を満たす喜多方の旅

「蔵の街」として有名な喜多方。「ふれあい通り」や「おたづき蔵通り」などの通りを歩き、歴史ある蔵をはじめ国の有形文化財に登録されている建物を巡りながら、そこに暮らす人々の暮らしや文化に触れると、蔵の街・喜多方の魅力を感じられるはずです。

たくさん歩いてお腹が空いたら、ご当地ラーメンである「喜多方ラーメン」の名店を訪ね、老舗の味を堪能するのも旅の楽しみの一つ。早起きできた朝には、常連の方に混ざって「朝ラー」にチャレンジしてみましょう。

※2019年11月現在の情報です