芸術と文化の街、豊島区でさまざまなアートに触れる

モザイク状に芸術が根づく街、豊島区

多くのオフィスが集中するビジネスエリアでありながらサンシャインシティなど人気のスポットも多く、またアニメやマンガなどサブカルチャーの聖地でもある豊島区は、東京23区の中でも特にさまざまな顔を持つ街です。

そんな豊島区の顔としてもう1つ忘れてはいけないのが、「芸術の街」としての顔。1920年代から1940年代にかけ、若手の芸術家たちが池袋周辺の町に住み、創作活動や芸術議論を交わしていました。1930年代には100軒を超えるアトリエ付きの借家が集まっていたと言われています。フランスのパリで芸術家たちが集った地区になぞらえ、詩人の小熊秀雄などがそのアトリエ村を「池袋モンパルナス」と称したことから、芸術の街として広く知られるようになりました。

戦後には「舞台芸術学院」や「豊島公会堂」が創設され、舞台芸術の文化もこの街で育まれていきます。さらにその後、「池袋アートシアター」を皮切りに小劇場がいくつも誕生。1988年には「東京国際演劇祭'88池袋」が開催され、豊島は演劇の街としても認知されるようになりました。

現在、豊島区は「国際アート・カルチャー都市としま」というキャッチコピーのもと、地域に根づいてきた多様な芸術文化を生かし、日本のリーダーとなる街を目指しています。あなたも、池袋で醸成されてきた独自の文化と芸術を味わってみませんか?

国際アート・カルチャー都市としま 豊島区公式ホームページ

URL https://www.city.toshima.lg.jp/artculture/index.html

回遊美術館、芸術劇場など西口はアートがたくさん

池袋駅の西口は、小熊秀雄や高山良策、寺田政明といった芸術家たちがアトリエ付きの借家に住んでいた池袋モンパルナスがあったエリアです。毎年5月の中旬から末にかけて、その名前にちなんだ「池袋モンパルナス回遊美術館」が開催されます。「街のどこもが美術館」をコンセプトに、東京芸術劇場や東武百貨店、ギャラリー、立教大学などが参加する、池袋西口一帯が展覧会場となるイベントです。このイベントでは、池袋モンパルナスの芸術家や現在池袋で活動するアーティストの作品が展示されます。

その池袋モンパルナス回遊美術館の会場の1つになっている東京芸術劇場は、1990年に音楽・演劇・歌劇・舞踊などの芸術文化の振興と国際交流を目的にした施設としてオープンしました。2009年からは劇作家・演出家の野田秀樹氏が芸術監督を務めています。有名な演出家や俳優が関わる作品から演技の世界で成功を夢見る若手の作品まで、バラエティ豊かで良質な演目を気軽に楽しめるのが東京芸術劇場の魅力です。もし「観劇は少し敷居が高い」と感じる方は、毎年開催される「東京芸術祭」や「フェスティバル/トーキョー」といった地域一体型の演劇イベントから体験してみるのもいいでしょう。

池袋モンパルナス回遊美術館

URL http://kaiyu-art.net/

東京芸術劇場

URL https://www.geigeki.jp/

年間約90本の個展・企画展を行う東武百貨店の「美術画廊」「アートギャラリー」

池袋の東武百貨店は1962年の開店。現在、関東で最も売り場面積の広い百貨店です。その東武百貨店の6階フロア1番地に、「美術回廊」「アートギャラリー」というギャラリースペースがあるのをご存じでしょうか。

美術回廊とアートギャラリーは、週単位でアーティストが入れ替わり、日本画や西洋画などの絵画だけでなく、版画、陶芸、漆芸、ガラス工芸の他、古美術品の展示も行われています。これから活躍が期待される若手の作家から高名な巨匠まで、幅広い作家の企画展示が年間およそ90本も開かれています。

デパートの一角ですので、かしこまらず気軽にギャラリーでの芸術鑑賞を楽しめるのが魅力です。お買い物の合間に少しアートな時間を組み入れてみてはいかがでしょうか。

アートギャラリー展示情報

URL http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/shop/108114502

東武百貨店池袋店

URL http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/

豊島でアートな街歩きを楽しもう

戦前から芸術家たちが集うアートの街として知られた豊島区エリア。戦後は演劇文化も加わったことで総合的な芸術を生み出す街へと発展し、その魅力は今日も池袋周辺にしっかりと根付いています。

肩肘張らずに普段着で芸術を楽しめるのが豊島区のアートのいいところ。芸術とは本来、私たちの生活の中に自然に息づくものだということを、豊島区のアートカルチャーは教えてくれます。

※2019年10月現在の情報です